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それでは、乾燥していない薪を焚くとどうなるでしょうか?
焚いてもなかなか暖かくなりません。
焚いてもなかなか暖かくならないのは、薪が燃えて発生する熱が水分蒸発の「気化熱」として吸収され、ストーブ温度が上がらないからです。せっかく発生する熱が、生(なま)の薪を乾かすために使われれる訳です。
これではせっかくお金を払って買った薪が、不良な薪自身を乾かすためにせっせと熱エネルギーを浪費するという本末転倒の事態になるというわけです。
具体的に申しましょう。
薪ストーブを焚き慣れた方はご存じの通り、いったん火が付いた薪ストーブの取扱は本当に簡単です。真っ赤な熾き(おき)ができてしまえば、薪を熾きの上に載せただけで薪が炎に包まれ、オレンジの炎がひとしきり上がった後は炭化が進み新たな熾きとなります。このようにして、オレンジの炎が見えなくなって真っ赤な熾きが弱くなったら薪をつぎ足す、というふうにやっていれば何の面倒もありません。(薪をくべるという動作は無意識にやってしまいます。太古からの本能なのでしょう)
ところが、です。
湿った薪ではこのように簡単に火が回らないのです!
真っ赤な熾きの上に上げた薪はいつまで経っても炎を上げず、燻(くすぶ)り続けます。
『あれ、火が付かないナー』
と思って扉を開けた途端に煙(不完全燃焼・未燃焼ガス)がボワッと出てきます。
ゲホッ!
熾きが赤く熾きているにもかかわらず、上に載せた薪に炎が回らないのは、明らかに湿っている証拠です。そこまでひどくなくとも、炎を上げながら薪の木口(こぐち。チェーンソーで切った面)からシューシューと蒸気が出るのも未乾燥の証拠です。
このような薪は、いくら燃やしてもほとんど暖かくありません。いや正確にはほとんど燃えません。
くすぶるだけです。

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